一般社団法人 軽金属学会

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長期ビジョン

創立100周年に向けて

 一般社団法人 軽金属学会は,21世紀半ばの2051年には,創立100周年を迎えます。大きな節目となるこの100周年に向け,これまで2年間かけて長期ビジョンを検討してきました。この検討は,時にアンケートで学会内外のニーズを取り入れたり,有識者を入れたワーキンググループを立ち上げながら,常設委員会に関わる多くのベテラン,中堅,若手会員を巻き込む形で進めてきました。

 各常設委員会などの本学会の現運営体制は,研究,発表,支援,交流,育成の5つの内容で学会事業を円滑に運営するために設けられています。しかし,多岐にわたる学会運営業務への対応のため,研究戦略のロードマップを除けば,これまで長期にわたるビジョンなどの議論を十分できなかったことは否めません。今回の長期ビジョン策定に当たっても,当初はワーキンググループの中にも若干の戸惑いが見受けられた様に思います。しかし,この2年間,来るべき未来社会で軽金属学はどのような貢献ができるのか,そのために必要な短期・中期・長期の変革は何かについて,多くの皆様がそれぞれ思いを致し,真剣な議論が交わされました。また,総合的,横断的な視野での議論は,理事会,総合計画委員会で交わされました。この成果として,全常設部会がビジョンとアクションプランを策定し,アクションのうちいくつかのものは,既にその実現に向けてキックオフしています。

 結果として,我々が策定した長期ビジョンは,SDGsアクションプランに含まれる科学技術イノベーション,カーボンニュートラル,デジタルトランスフォーメーション,男女共同参画等の内容と多くの部分で整合するものとなりました。なかでも,軽金属学会の事業内容を素材・製品の製造に必要な生産技術へと拡張し,社会課題解決を担うことに一層重きを置く内容となっていることは特筆すべき事と言えます。これまでよりさらに多様な視点や価値観を基に軽金属の新たな価値を創出し,社会の変革をリードすることで,「社会に対し幸せを創る学会」として貢献し続けたいと思っています。

2023年4月
一般社団法人 軽金属学会
会長 熊井 真次

生産技術分野の拡充について

 一般社団法人軽金属学会では、多様な視点で新たな価値を創出し、産業の発展にも力強く貢献するというビジョンに鑑み、最も注力するべき施策として各種学会活動の生産技術分野への拡大を掲げています。これは、生産技術関連の各種行事や学会誌記事の企画だけに留まらず、講演大会の一般講演や論文投稿など、広く学会活動全般に関わる大きな変革を企図したものです。これにより重要な社会課題を解決するとともに、それを持続的に可能にする高度な生産技術人材を育成します。また、現在の研究部会活動を発展させるなどし、それを強力にサポートする組織・体制作りも行ってまいります。

 総合計画委員会では、当学会で想定される生産技術の内容を徹底的に抽出し、技術面からその必要性、優先度、取組内容と長期計画を精査するため、学会内外の専門家からなるワーキンググループを組織しました。ここでは、約1年間にわたる活動の成果をまとめた資料を示します。鋳造・ダイカスト、押出・圧延・鍛造、表面処理・表面改質、カーボンニュートラル、環境対策、先進技術の各技術分野でどのような課題があり、その産業的・学術的意義や緊急度、解決に要する時間スケールなど、長年、生産技術分野に携わってこられたエクスパートならではの重要な情報・知見が整理されています。このように多岐にわたる技術課題を克服するため、多くの生産技術者が当学会に集い、活発に議論が交わされる日が来ることを願ってやみません。

総合計画委員会
委員長 戸田 裕之

軽金属学会

長期ビジョンと今後の方針

ビジョン

  • 多様な視点や価値観を基に新たな価値を創出し、社会の変革に対応できる研究・技術開発をリードする
  • イノベーションを創出したり、社会的課題を解決して産業の発展に貢献できる人材を育成する
  • 国際的視野をもち、技術開発の連携強化や情報発信することで、世界に認知される軽金属学を先導する
  • ICTの活用を含めた各種施策により、会員価値向上を追求する

今後の方針

  • 社会課題を取入れた生産技術を含む学会事業への展開と産学官の連携強化により専門学を発展させる
  • 研究会活動の変革など、学術の深化や事業内容の変容が外部から見える体制作りを行う
  • 環境対応・生産技術関連へ講演、論文を拡張し、会員数の継続的な増加と各種施策を策定する
  • 生産技術者に加え、若手、女性、外国人、支部会員等の育成、支援、連携強化で多様性を促進する
  • 国際交流強化を通じてグローバル化を推進し、グローバル課題への対応力や海外連携を強化する
  • ICTを援用して集会・教育行事や出版、交流等を活性化する手法を探求し、あるべき姿を明確化する

ロードマップ

軽金属学会 ロードマップ

各分野の長期ビジョン

軽金属学会 組織図

【常設委員会】

総合計画委員会

長期ビジョンと今後の方針

ビジョン

  • 軽金属の素材、製品に関する生産技術は、軽金属学会、日本アルミニウム協会のいずれでも取り扱われていない空白地帯である。そこで、当学会の事業全般(研究事業、学術講演事業、学会誌等出版事業、奨励表彰事業など)を生産技術まで拡張する。2050年には、会員数、一般論文投稿数,講演大会一般講演数の増加など、目に見える形で学会活動が大きく活性化・変容するよう、各種施策で強力に誘導する

今後の方針

  • 短期:学会誌(編集委員会)、シンポジウムなど(企画委員会)、研究部会(研究委員会)、講演大会 (大会運営委員会)を中心に、現行の組織・業務の範囲で生産技術関連の事業拡充を行う。 研究委員会は、生産技術関連のテーマ選定を行い、研究部会を立ち上げる。部会長・委員の選定、研究委員会の関与・サポートの仕方、運営の方針と方法、活動内容の検討などを事前に行い、生産技術にふさわしい運営方法を試行・調整する。研究部会を核に、学会誌、シンポジウム等、講演大会への生産技術の展開を図る。
  • 中期:従来の研究部会とは別に、複数の生産技術部会の設置を検討する。この様な学会組織の改編を含め、生産技術関連の活動の拡充を外部から目に見える形にし、より強力に推進する。それに合わせた他の事業(学会誌、シンポジウム、セミナーおよび技術講座、講演大会など)の変更・拡充の検討、および実施も同時に行う。
  • 長期:10~20年後を目途に、学術論文(ないし必要であれば技術論文などの新ジャンル)、春秋講演大会の一般講演などで、生産技術関連のテーマが定常的に一定数取り上げられ、正会員・維持会員の会員数、投稿論文数、講演大会発表・参加件数やシンポジウム・セミナーの参加人数などで顕著な変化が見られるよう、各種追加施策を検討・実行する。これにより、学会活動を現在と比べて大きく活性化および変容させる。

ロードマップ

総合計画委員会 ロードマップ

研究委員会

長期ビジョンと今後の方針

ビジョン

  • 軽金属学会の活動範囲(研究範囲)を、学術から素材・製品に係る生産技術へ拡張し、社会課題解決に貢献する研究活動成果を実現する。
  • 産学官の連携を強化し、軽金属に関する研究活動を活性化する。

今後の方針

  1. 軽金属学会活動範囲の拡張
    • 社会課題、企業ニーズと学術シ-ズを俯瞰して、学術分野に加えて生産技術系分野において、目指す方向性を探索する。
    • 注力すべき学術分野、生産技術系分野を選定し、研究部会活動に反映すると同時に、活動に適した組織体制を構築する。
    • 研究部会活動を活性化し、活動範囲の拡張、参画機関やメンバーの拡大を図る。
    • 研究部会活動の成果を社会に還元する。
  2. 研究部会活動の活性化
    • 研究委員会ならびに研究部会活動を活性化する仕組みを導入する。
    • 大会での発表、企画委員会と連携した対外セミナーの開催、産官学の連携プロジェクトによる社会実証などにより、得られた成果によって社会課題解決に貢献する。

ロードマップ

研究委員会 ロードマップ

編集委員会

長期ビジョンと今後の方針

ビジョン

  • 会誌の電子化を見越して、新たな会員向け無償公開コンテンツの発掘、提供に努め、外国人からも選ばれる和文学術雑誌としての地位を確立する
  • 生産技術者の会員増強を図るため、生産技術関連の特集号や解説記事、連載講座を充実させるとともに、時流に沿ったコンテンツの発信やオンライン講義の実施、会員間の情報交換の場を提供する

今後の方針

  • 2030年代の会誌の完全電子化に備え、学術論文の早期掲載と特集号や解説、連載講座などの特定テーマを深く堀り下げた記事の定期配信を両立する方法を検討する。さらに、会員間の情報交換や発信の場を提供し、デジタル空間での新しい学術雑誌のあり方を構築する
  • 引き続き、会誌の読み物記事や研究部会報告書、シンポジウム・セミナーテキストなどを無償公開コンテンツとして配信するとともに、新たなコンテンツの発掘、提供に努める。さらに、投稿数や検索時のヒット数、citationの増加策として、Materials Transactions誌との連携や英文での情報発信を積極的に進める
  • 生産技術に携わる技術者の意向に沿った特集号や解説記事、連載講座を充実させ、さらにその著者によるオンライン講義を実施することで、会員増強ならびに会員サービスの向上を図る

ロードマップ

大会運営委員会

長期ビジョンと今後の方針

ビジョン

  • 軽金属・軽量金属材料および関連分野に関する学術交流、知識の普及と会員相互の親睦・研鑽を目的する大会の意義を堅持する
  • 社会情勢や時代の要求に応じて、運営形態等を柔軟に変えながら、大会の意義を実現する

今後の方針

  • 対面・オンライン・ハイブリッドの開催について大会参加者からの情報を基に開催形態の最適化を図る
  • デジタル技術の発展・活用による参加形態の多様化を推進する
  • 著作権に関する検討を経て、講演のアーカイブ化等について検討する
  • 生産技術分野の講演を一般講演へ組み込み、大会で扱う分野を広げる
  • ICTを活用しテーマセッションにて海外からの招待講演などを可能とする
  • 各研究部会による定期的なテーマセッション実施を依頼し、講演数の増加を図る
  • ICT活用の交流活性化についてはデジタル技術の発展に期待し、積極的な活用を検討する

ロードマップ

大会運営委員会 ロードマップ

男女共同参画委員会

長期ビジョンと今後の方針

ビジョン

  • 多様な会員構成を活かし、男女が共に活躍出来る学会活動を実現する
  • 会員が互いに尊重し合い、個々の能力を存分に発揮できる風土を醸成する
  • 中高生を含む次世代へ向けた活動を通して、軽金属の未来を担う人材育成に貢献する

今後の方針

  • 学会員構成比の実態を把握し、学会活動への健全な女性参画を推進する
  • セミナー、シンポジウム等の開催により、男女共同参画・ダイバーシティーに向けた取組みを啓発する
  • 幅広い会員の意見や見解を共有できる場を設け、会員のニーズに応じた交流機会を提供する
  • 小中高生を含む次世代向けに軽金属分野の啓蒙を行い、未来の学会員を育成する

ロードマップ

男女共同参画委員会 ロードマップ

支部長会

長期ビジョンと今後の方針

ビジョン

  • 地域、地区を基盤とした支部での軽金属関連及び異業種の研究者、技術者間の交流の場を提供し、学会活動の活性化に寄与する
  • 地域、地区に密着した地道な支部活動を通して,軽金属学会の活動に関する理解を深める
  • 社会情勢や時代の要求に応じて、柔軟に支部の運営形態、対処法を模索する

今後の方針

  • 短期:オンライン配信を含めた支部活動に活気が出るような魅力的な事業の継続と検討
  • 中期:各種支部事業や春秋大会の開催等に関して、持続可能な支部活動とその活性化
  • 長期:支部活動を通して、他学協会、異業種間と軽金属学会に関する相互理解や連携事業を推進

ロードマップ

支部長会 ロードマップ

国際交流委員会

長期ビジョンと今後の方針

ビジョン

  • 国際ネットワークの構築および充実・発展をリードする
  • アジアにおける軽金属学会のプレゼンスを確立し、ネットワークの強化を先導する
  • 会員の国際化促進および国際的な感覚を有する人材を育成する
  • 国際交流に関する情報発信を促進する

今後の方針

  • 人的交流を促進させ、共同研究・国際共著論文の増加を図り、軽金属学会のプレゼンス向上を推進する
  • アジア地域における更なるネットワーク強化のため、 ALMAの参加国を拡大する
  • 若手の研究者、技術者および学生の海外活動を支援する
  • 小規模国際会議の開催、春秋講演大会概要集および和文研究論文のICTによる英語化を推進する

ロードマップ

国際交流委員会 ロードマップ

企画委員会

長期ビジョンと今後の方針

ビジョン

  • 学術・技術の両面で世界の軽金属分野をリードする人材を育成し、日本製造業の競争力復活に貢献する
  • 意欲ある技術者・有用な技術情報が集まる場を提供し、軽金属学会の持続的成功を実現する

今後の方針

シンポジウム
  • 定期開催化、生産技術テーマ充実、軽金属奨学会との連携で提供価値を最大化する
  • 大学・企業双方関係者にとって有用な技術交流(生産・設備・計測・分析)の場を提供する
  • 他学会や設備メーカーと連携し、大規模展示会等、本格的な技術者の交流の場を確立する
セミナー
  • アルミ・マグネのセミナーに加え、「チタン」セミナーを新規に開講する
共通
  • 参加者の利便性向上、委員会業務のスリム化を目指し、ハイブリッド化、オンデマンド化を推進する
  • 意欲ある人が、学びたいテーマを学びたい時に学ぶことができるコンテンツを提供する
  • 技術の進歩に合わせた最新システム導入で、臨場感を持って意見交換できる空間を提供する

ロードマップ

企画委員会 ロードマップ

総務委員会

長期ビジョンと今後の方針

ビジョン

  • 会員が夢と希望をもって学会に参加できる基盤作りを進める
  • 軽金属学会の活動を世の中に広くアピールし、存在を期待される学会となる
  • 軽金属の未来を背負う人材を育成し、学会の活性化につなげる

ビジョン

  • 生産技術に携わる技術者へのアンケート結果をもとに、他常設委員会と協働して特定の技術テーマに関するオンライン講義などを実施する。また、学会のもつコンテンツを順次会員に無償公開し、会員サービス向上を図る
  • アルミニウムに重心がある現在の軽金属学会HPを、マグネシウム、チタン、他軽量金属との連携を強化し、真の意味で全軽金属に関するポータルサイトとして活用できる様利便性向上を図る。更に、YouTuberやメディアとコラボし、小中高生、一般人にも親しみのある学会へと変身していく
  • 年齢、性別、立場に関係なく、技術的な議論を活発に行える場を提供するための整備をする。小中高生に軽金属に興味を持ってもらう施策、博士課程学生増加による議論の活性化、生産技術分野の方と議論を行う場の提供などを、他常設委員会との協働で進める

ロードマップ

総務委員会 ロードマップ

各分野で想定される生産技術課題と軽金属学会での取り組み

生産技術WG 各技術分野の進め方提言
生産技術WG 各技術分野の進め方提言
生産技術WG 各技術分野の進め方提言

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