6000系アルミニウム合金の相変態挙動および材料物性に関する研究部会
部会名称
6000系アルミニウム合金の相変態挙動および材料物性に関する研究部会
部会長
廣澤 渉一(横浜国立大学)
研究の要旨
各種輸送機器の軽量化に寄与する 6000系Al-Mg-Si(-Cu)合金の相変態挙動および材料物性については多くの研究がなされているが,近年の著しい解析技術ならびに計算手法の発達によって,いよいよその複雑な挙動が明らかになるとの期待が高まっている。本研究部会では,
①二段時効の負の効果など工業的にも問題となる本系合金特有の諸現象についての共通理解を図り,
②複数のクラスタを考える必要性や多くの種類の析出相が出現する理由
③ナノクラスタの原子レベルでの形成挙動やβ”相との関係性
などについて,先進的な解析装置(HRTEMやAPT,HAADF-STEM,ABF,XAFS,XANES,CDB,陽電子消滅,ミュオン,磁化率測定など)と広範な計算科学(第一原理計算,分子動力学法,モンテカルロ法,状態図計算など)を組み合わせることで,明らかにすることを目的とする。
活動内容
6000系Al-Mg-Si(-Cu)合金の初期相変態挙動について,以下の観点からの調査ならびに研究を実施する。
① 二段時効のみならず,予備時効も含めた多段時効処理時の機械的性質ならびに微視的組織の温度依存性,合金組成依存性を明らかにする。
② TEMでは観察が難しいナノクラスタを検出する手法としてAPTやABF,XAFS,XANES,CDB,陽電子消滅,ミュオンなどを駆使し,得られた結果の解釈法やその妥当性について多角的に議論を行う。
③ HRTEMやLAADF-STEMによって存在が確認されているさまざまな析出相について,その構造的な差異や安定性の違い,析出過程における役割の観点から解釈を行う。
④ ナノクラスタの形成挙動やβ”相への遷移過程,強度への寄与などについて,計算科学からの知見とも合わせて理解,解釈を行う。
活動報告
参加メンバー
- 大学・高専・旧国立研究機関(含独立行政法人)・企業研究者,技術者
研究期間
4年間
開設年月
2025年6月
運営費
参加企業1社あたり年会費10万円
※大学・高専・旧国立研究機関(含独立行政法人)・公立研究機関関係者の参加費は無料。
ただし,軽金属学会会員になることを要す。
問合・申込先
横浜国立大学 教授 廣澤 渉一
〒240-8501 横浜市保土ヶ谷区常盤台 79-5
Tel&Fax:045-339-3856 E-mail:hirosawa(at)ynu.ac.jp