エッセイ
ジョギングの秘訣
平成28年3月1日掲載
磯部 保明
株式会社デンソー
材料技術部
担当部長
休日にジョギングするのが最近の楽しみの一つです。小中学校時代はやや太ってましたので、長距離走が大の苦手。体育の通知表も持久走が授業となる3学期になると下がったものです。そんな私が走り出したのは2011年3月の東日本大震災がきっかけでした。
東日本大震災の年、夏のピーク電力を平準化する目的で、会社が変則勤務を採用しました。7月から9月は土日出勤、替わりに木金休みです。放っておくと太ってしまう体質の私、ダイエットのため、近所の仲間と日曜日にソフトバレーボールで汗を流しておりました、震災の10年以上も前から。ソフトバレーとは1チーム4人、ちょっと大きめでゴム製の柔らかいボールでプレーするバレーボールです。当たっても痛くないボールですので、生涯スポーツとして名古屋市では盛んです。我々の練習は体育館内ですので、夏場ですとTシャツが絞れるくらい汗を掻き、爽快な気分でダイエット。帰宅して風呂から上がって飲むビールは最高でした。
さて、日曜出勤となりますとソフトバレーの練習ができません。さあ、木金に私はどうやって美味しいビールを飲めばいいのか・・・。ちょうどその頃、社内の何人かが「ウォーキングして痩せた」と話すのを聞き、私もやってみようかと思い立ちました。
会社帰りで天気のいい時は電車を一駅前で降り、自宅までの30分強を歩くようにしました。次第に慣れてきて、点滅信号になると小走りで横断歩道を渡り出すように。なので、「よし、いっそのこと走ってみるか」と。きっとウォーキングで体が軽くなり、走る土台ができつつあったのでしょう。
2011年のお盆休み、ついに私はジョギングシューズを買いました。靴ひもをオレンジ色に交換してちょっと気分を盛り上げます。盛り上げツールのもう一つがデジタルオーディオプレーヤー(DAP、みなさんご存知のiPodの類です)。これがなかったらジョギングを続けられなかったでしょう。最近はスマホの普及で影が薄いですが、手の中に握りしめられる大きさ(写真)に1000曲も保存できます。私は若い時、ソニーのウォークマンを手にして、音楽を外に持ち運べるんだと感動しました。聴きながら乗る通勤電車では、風景が映画のワンシーンに。でも当時、カセットテープと乾電池でしたからどうしてもかさばったし、20曲がせいぜいでした。最近の技術の進歩はすごいですね。ちなみに私のDAP、主にカラオケ練習曲を入れておりますが、たまに英会話リスニングにも利用してます(誰に弁解?)。
さあイヤホーンを耳に付け、さっそく走ってみました。真夏なので夕方に。まだ暑いですが、DAPのお蔭で気分は上々です。サザンの「いとしのエリー」(すいません、古い曲しか知らないのです・・・)に合わせ軽く口ずさみます。すると、何ということでしょう!何気ない近所の夕焼けが輝いて見えるのです。
健康のために走るのですから、ムリせず、タイム記録せず、しんどくなったら歩きます。でもそれよりもDAPが私にジョギングを続けさせてくれます。好きな曲を聴きながら、はたまた歌いたい曲を口ずさみながらアウトドアを走るのは気持ちのいいものです。
ダイエット、ストレス解消(美味しいビール)、カラオケ練習、これが私の小一時間のジョギングの効能です。あんなに長距離走が嫌いだった私が、いつの間にか走るのが楽しみになっていました。現在も会社休日で天気が良ければやります。気分が乗れば自宅から5kmくらい離れた名古屋港とかナゴヤドームを往復。ただ、この正月連休もほとんど毎日走りましたが、体重はむしろ増加気味。やっぱり食べる量か・・・。
今日は2.5km離れたショッピングモールのフードコートに立ち寄り、水を1杯飲んで折り返します。さあ、帰ったら風呂入ってビール飲もうっと!