一般社団法人 軽金属学会

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エッセイ

音楽とのおつきあい

平成26年7月4日掲載

福井 康司

東洋アルミニウム株式会社

 

 趣味として音楽とは長いおつきあいが続いている。音楽に触れていると本当に心が安らぐ思いがする。この長いおつきあいの道のりを振り返ってみた。

 ○楽器
 学生の頃、毎晩ギターを弾いていた。通信教育で1年間のコースを受講し、クラシックの曲の練習に励んだ。「ラリアーネ祭り」、「マリアルイサ」といった曲を夢中で練習した。社会人になってからピアノの練習を始めた。独学で自己流であるが、バイエルンの練習曲をひととおり弾けるようになった。
 その後、電子オルガン(エレクトーン)を買った。1年間電子オルガン教室に通い、簡単な曲を弾けるようになり、その優しい音色に胸がときめく思いがした。
 その後、会社のジャズバンドに入った。思いがけずトランペットを担当して欲しい という要請を受けた。それまで全く触れたことのない楽器で大変戸惑ったが、これも何かの縁であろうと思い吹いてみることにした。トランペット教室に1年半通った。レッスンは仕 事が終わってからの夜中で大変疲れたが、少しずつ音が出るようになった。
 初めてステージで演奏した曲が「Love is over」であった。大変切ない曲で、演奏しながら胸がしめつけられるような思いがした。そして、初めてソロで吹かせて頂いたのがテレサ・テンの「つぐない」であった。多くの観客を前にステージで自分の演奏する音だけが響いているのは、緊張感もあったが、大変気持ちの良いものであった。

 ○コーラス
 楽器とは別にコーラスとも長いおつきあいが続いている。
 小学生の頃、NHKの専属児童合唱団の入団テストを受けることとなった。大変競争率の激しいテストであったそうだが、もののはずみというか、まぐれというか、不思議なことに合格してしまった。それから3年間の間、月に1回のペースでNHKラジオ「歌の本」という番組に出演した。藤原歌劇団主催の歌劇カルメンの神戸公演にも出演したりした。この頃の声の質はいわゆるボーイソプラノで高音が担当であった。
 社会人になってから、社会人の合唱団に入団した。メンバーはそれなりに合唱経験を持った人が多いようだ。当初は高音のテノールを担当していたが、年齢を重ねるにつれて、段々ハイトーンが出にくくなり、最近低音部のバリトンで歌うようになった。低い音をきれいに出せた時の快感はたまらないものがある。
 毎年秋の10月頃に定期演奏会があり、またその間に地方での演奏会もあり、それに向けての練習を仕事の合間に行っている。

 ○これまでの失敗
 長い音楽とのおつきあいの中で大きな失敗もいくつか経験した。
 大阪の野外ステージでトランペットを演奏した時のことだ。普段の練習不足を取り戻そうと前日に猛練習をした。すると唇が疲労してしまい、全く音が出なくなってしまったのだ。演奏直前のことで冷や汗がでたが、ステージ直前まで唇を休めて、なんとか演奏にこぎつけた。今思い返してもゾッとする思いがする。
 コーラスでは、歌劇カルメンの舞台でのことだ。5人で歌いながら舞台の中央に進んでいく場面で、右、左の足の運びが、私だけ左右が逆になっていたのだ。あとから思いだしても恥ずかしい思いがするが、今となっては、懐かしい思い出だ。

 ○これからのおつきあい
 今は業務が多忙な毎日で、なかなか音楽に触れる時間が取れない。退任し時間の余裕ができるようになったら、ゆっくりと音楽に接する時間を持ちたいと思う。
 楽器については、あれこれといろいろな物に手を出し過ぎたため、どれも中途半端になってしまった。時間が取れるようになったら、ピアノに集中して取り組みたい。基礎からやり直して演奏のレベルを上げたいと思う。
 コーラスについては、発声練習に取り組み、もう少し音域を広げたいと思っている。
 音楽とはこれからも生涯の友人として末長くおつきあいをしていきたいと願っている。

 
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