一般社団法人 軽金属学会

  • お問い合わせ
  • English

エッセイ

ポスター発表について

平成22年9月16日掲載

高橋 俊也

群馬大学大学院工学研究科
機械システム工学専攻
産学連携研究員

 

 この度は,優秀ポスター発表賞というすばらしい賞を頂きまして大変光栄に思っております.このような素晴らしい賞を頂いたことを自信として,これからも研究活動に励んでいきたいと考えております.

 初めてのポスター発表だったのですが,通常の講演発表よりも活発に多くの人と意見のやりとりができ,様々な意見を頂戴することができて非常に有意義なポスター発表ができたと考えています.

 簡単に本研究の紹介をさせて頂きます.本研究ではX線CT試験機内部でポーラスアルミニウム圧縮試験片に対して圧縮試験を行い,4%圧縮を行う毎にX線CT撮像を行いました.ポーラスアルミニウムの圧縮試験片には神鋼鋼線工業株式会社様のアルポラスを使用させて頂きました.各圧縮量のX線CT画像に対して画像処理を行い,3次元モデルを作成し,内部の気孔の変化と有限要素解析を行いました.その結果,ポーラスアルミニウム全体の気孔が変形するのではなく,ある領域が早期に変形していくことが確認されました.さらに有限要素解析では応力集中している気孔が早期に変形した領域内部に存在していました.このことからX線CT撮像を行うことによって,ポーラスアルミニウムのどの気孔から変形が進行するか予測できる可能性が示唆されました.

 現在,当研究室ではこの他に摩擦攪拌プロセスを使用した傾斜機能ポーラスアルミニウムの作製,ADC12ダイカスト内に存在する内部ガスを利用した発泡剤不使用のポーラスアルミニウムの作製,Al合金ダイカスト製品内部に存在する引け巣クラスターが製品の疲労寿命に与える影響に関する研究,圧縮処理によってAl合金ダイカスト内部に存在する鋳巣を低減,消滅させることによって機械的性質を向上させる研究などを行っております.

 終わりになりますが,日頃からご指導を賜っております群馬大学大学院工学研究科機械システム工学専攻の半谷禎彦先生,芝浦工業大学先端工学研究機構の宇都宮登雄先生,福井大学大学院工学研究科原子力・エネルギー安全工学専攻の桑水流理先生,東京大学生産技術研究所の吉川暢宏先生,共同研究者の山口亮君,研究室の皆様,理解のある家族に謝意を表します.

 
PAGE TOP