エッセイ
近畿大学
藤野研究室にて
平成19年1月1日掲載
吉村 将
近畿大学大学院
近畿大学には様々な大型分析機器があり、それらを予約することにより使用することができます。1年生から3年生までの学生実験では学生実験専用のNMR、XRD、IRや原子吸光分析装置などの中型分析機器に触れことがありましたが、研究室に入り自分のサンプルを初めて測るときには、ビクビクしながら触り、院生に大半教えてもらっていました。最初の頃は測定の度に院生について来てもらっていました。そして気づけば、ESCAやXRDなど様々な分析機器を測定できるようになっていました。1年生の時から学生実験で半期に1回プレゼンテーションが行われてきました。しかし、私は人前で話すのがあまり得意ではないのでプレゼンテーションがかなり苦手でした。研究室に入ってからは院生や藤野先生の前での発表、そして卒業研究の中間発表や卒業研究発表など、度重なる発表により慣れ、今では緊張はするものの以前のように重い気持ちになることはなくなり発表がむしろ楽しめるようになりました。ゼミ旅行では昼の勉強会が終わると夜は大宴会。ある程度お酒を飲むとなぜか研究室全員でピラミッドを作ったりと大暴れ。そんなこんなで4年生の時は、学部生では経験し得なかったことを勉強した1年間でした。
院生の半分は卒業してしまい、最初から最後までお世話になり未だに頭が上がりません。研究テーマが違うにもかかわらず卒業論文をチェックしてくれたり、どんなに実験が遅くなっても最後まで待っていてくれたり、常に研究室のムードを盛り上げてくれたり、研究のことを一から全部理解できるまで教えてくれたりと挙げるときりがないです。そんな尊敬すべき先輩の後を継ぎ、気がつけば自分も院生になり4年生を指導する立場に。今までは後ろを付いて行けばよかっただけが、研究室を引っ張っていくことになり戸惑いばかり。教わることと教えることの違いに改めて驚いています。4年生に、こんなこともわからないのかと腹を立てながら、よくよく考えてみれば、自分が4年生時もわかっていなかったと思い反省の毎日です。そのことを考えると卒業した院生や今も研究室にいる院生はよく怒らずに根気よく指導してくれたものだと改めて素晴らしさを痛感しました。 私の学生生活でこの1年半は嵐のようであり一瞬で過ぎ去っていきました。先輩たちへの尊敬は生涯変わることはないと思います。年に1回のOB会などで再会できる日を楽しみにしています。また後輩に信頼される先輩になれるよう残りの学生生活を送っていきたいと思います。
大学を卒業し社会に出たときには、日本で最初に5年間認定されたJABEE「応用化学プログラム」や研究室での工学的発想や3年間で培われた能力・経験が大いに役に立つと思います。JABEEプログラムで受けた技術者倫理や専門的基礎知識は私の貴重な財産だからです。その財産を生かし、ゆくゆくは社会に大いに貢献できる技術者になりたいです。
最後に、創造力だけではいけないと思いますが知識と創造力を心がけ、今後も楽しいと思えるような研究開発できたらと思います。