マグネシウムの歴史
1.マグネシウムの起源
マグネシウムは1808年にイギリスの化学者デビー(Humphry Davy)が白いマグネシア*とよばれる鉱石を処理して不純ながらも新元素を抽出し、それをマグニュウム(Magnium)と名付けたことによって出現しました。当時マグネシウム(Magnesium)という名前は現在のマンガンに対して用いられており、正式にマグネシウムと名前がついたのは後のことです。その後、比較的純なマグネシウムの分離精製に成功して工業生産に発展することになりました。
わが国では1862年(文久2年)には舎蜜局必携という書に麻倔涅叟母(マグネシュウム、略称麻倔)と書かれており、当時知識として伝えられておりました。
*ギリシャのマグネシア半島およびこの地方からの移民で作られたと言われる現トルコの2つの都市マニサおよびソケの近くにあったマエランドラムの旧名であり、それらの地から産出した鉱石に、白、黒の色名をつけて鉱石名となっていました。