軽金属のお話

アルミニウムの歴史

2.現在の歴史を築く

 日本でアルミニウムが製造されて100年以上たち、現在、アルミニウムは広範囲にわたって利用されています。純アルミニウムとして使用されているだけでなく、いろんな元素が添加されたアルミニウム合金として、みなさんの生活や日本の工業製品の材料として役に立っています。そして今、歴史を築く歩みを重ねています。ここで、みなさんの身近にある展伸材を中心に、現在使用されているアルミニウム合金の種類について、少しお話をします。

2.1 高純度アルミニウム

 99.90%以上のアルミニウムで、やわらかくて強度は低いので、細い線なら、簡単に曲げることができます。引張強さは約50Mpa(1mm×1mmの断面を持つ線材なら約5kgのものを釣り上げることができます)。このアルミニウムは電解コンデンサの中に薄い箔として使用されています。身近な電気製品の中で使用されています。その他として、リード線、IC用ワイヤ、ハードディスクの基板など、最先端の製品の中に使用されています。

2.2 工業用純アルミニウム

 99.00~99.90%程度の純度を持つアルミニウムで、薄板、箔、押出材、線材として使用されています。引張強さは約100MPaです。ネームプレートや装飾品、びんのキャップ材、家庭用品、熱交換用フィン材などに使用されています。みなさんも、家庭用のエアコンの中にあるひだをもった銀色の熱交換器を見たことがあると思います。

2.3 Al-Cu(Al-Cu-Mg)系合金

 この合金の多くは、主としてCuがおよそ2%~7%添加され、Cu以外にもMgが0.2%~1.8%程度、SiやMnが少量添加されています。これらの添加元素のために引張強さは約400MPa程度となり、鋼の匹敵する強さとなります。そのため、構造材、航空機用材料、機械部品材料としても用いられます。