軽金属のお話

チタンとは?

チタンは密度が4.5Mg/m3であり、鉄の約60%と軽量ですが、鉄とほぼ同程度の強さを示し、錆びにくいといった代表的な特徴のほか、生体適合性に優れる、弾性に富むなどの特徴も合わせ持つ軽金属です。

金属チタンは、1910年にはじめてアメリカの科学者ハンターにより抽出され、現在は、1946年にルクセンブルクの治金学者クロールによって開発されたクロール法によって生産されています。チタンとチタン合金の主な用途は航空宇宙分野で、航空機機体および航空機エンジン部品に使われています。発電所の蒸気タービンブレードもチタン合金で作られています。軽くて強い特徴を活かし、ゴルフクラブや自転車などのスポーツ用品にも用いられます。耐食性が高いので、化学プラント材料としても役立ちます。さらには、生体適合性に優れる、人体に無毒な特徴を生かし、金城関節や人工歯根に使われています。医療機器にもよく利用されます。金属アレルギーが出ないので、日常身に着けるものとして、チタン製の時計やメガネのフレームなどの製品もあります。チタンの酸化物である酸化チタンは日焼け止めや化粧品の材料としても使われています。最近では、光触媒としての利用も知られています。

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